Kubo san chi

種まきと苗づくり

01.

お⽶づくりは、他の作物と同じように種まきから始まります。少し異なるのは、普通は農薬で消毒するところを、⼿間はかかってもお湯で消毒すること。種の段階であっても同じ。⽣育過程のあらゆる場⾯で農薬を使わないことが、おいしいお⽶につながるのです。

02.

近年、農作業の省力化のために種を多く撒く密苗栽培を行う農家さんが見られますが、それでは栄養を奪い合って弱い苗となり、成長に影響が出ます。私たちは密苗栽培に比べて60-70%の種にとどめることで、強い苗を育てます。1週間ほど経つと、白くてかわいらしい芽が出てきます。

03.

芽が伸びたら、次の1週間は根っこが伸びる番。数を抑えることで強い根が張り、⽥んぼで栄養をたくさん吸収して、いい稲に育ちます。根が張った苗は、パレット3段分を持ち上げるほど⼒持ち。根に⼒を蓄えてきたら、⽥植えに向けた次の準備に移ります。

04.

それから、まだ⽇光に弱い⽣まれたばかりの新芽に保温シートをかけて、さらに1週間。毎⽇上下動する気温を確かめながら、毎⽇成⻑を⾒守ります。昔から農家では「苗半作」という⾔葉があります。これは「苗のできによって作柄(収穫⾼)の半分が決まる」という意味です。苗づくりは、1年で最も気を遣う⼯程です。

MY RULE

共同で使う⽔路は⽔を通す時期が決まっているため、⽥植えは7回に分けて⾏う必要があります。だから種まきも苗づくりも7回に分けて。⼀度にやれば作業時間や運ぶ回数が減ってラクなのはわかっています。でも、万全の苗はできません。おいしいお⽶になることを最優先にすれば、妥協はできないのです。

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